偽薬
2015年10月13日
ヒプノラボ
2015年10月に発売されたサークル偽薬の作品。
10月に入っても催眠音声界隈は引き続き慌しい。
少し前に黒猫氏(キャットハウス代表)が監修する全年齢向けが出たかと思いきや
その直後に3つのサークルが同時に新作をリリースした。
こいつはその中の1本にあたる。
他の2作は完全新規なのだがこのサークルは2作目ってことでとりあえず選んでみた。
この作品はとある研究所に拉致監禁された主人公が
女研究員に乳首や尻穴をいじられる実験を受ける。
なんでも彼女は男女の快感の違いに関する調査をしているらしく
その実験台に女装を嗜む彼が選ばれたわけだ。
催眠パートは25分中17分を催眠を開始する前の状況説明にかけている。
先に書いた事情があるから実験に協力して欲しい
もし断った場合はお前のオナニー映像をネットに流すぞ、と。
手足を拘束するだけでは飽き足らず脅迫までしてくる高圧的な女性である。
催眠は深呼吸して、分割弛緩して、温感操作っぽいことをする。
分割弛緩は両腕→背中→右足→左足の順に軽く脱力の暗示を入れ
温感操作もほぼ同じ要領で行っている。
そして最後に彼女がチンコをいじりながら「催眠に入りました」と断言する。
なんで新規のサークルは揃いも揃って同じ技法ばかり使いたがるのだろうな。
催眠なんて古典と現代を組み合わせれば無数の誘導方法が構築できる。
なのにテーマや目的を一切考えずに全部同じ技法を当てはめる理由がわからない。
この作品ならとりあえず脱力を入念にやって手足の拘束感を出すのがいいだろう。
研究室の壁や天井が白いのだから色を使った深化も有りかもしれない。
そんなことも意識せずだらだらとこなしているのには心底呆れた。
よくこんなチープな催眠で金を取る気になるもんだ。
エッチは乳首を舐め、胸に生理食塩水を入れて膨らませ、パッド型の機械と電動歯ブラシで責め
ゴム手袋をはめた指でアナルをかき回す。
チンコの描写をちょくちょく入れてくるものの触れることは一切ない。
実験の目的が女性の快感を追求することだから当然だわな。
そしてここも相変わらず催眠と呼ぶに値しないプレイばかりをしている。
乳首を舐められるとどう感じるのか、機械で吸われてどう気持ちいいのか
アナルに指が入るとどんな感触があるのか、等々暗示を入れることはほとんどない。
代わりにプレイの詳細や器具の形状を説明していた。
暗示がまったくないってわけでもないのだが、そもそも催眠に失敗してるし
一言さらりと言う程度なんでこれを暗示と呼んでいいのかすらよくわからない。
暗示ってやつはもうちっと考えながら根気よく入れるものだと思うんだがな。
感度上昇の暗示を碌に入れてないのに終盤で快感が増幅していると決めつけてるし
サークルは催眠を魔法の類と勘違いしてるのかもしれない。
最後に主人公の心拍数に倣って105からカウントを開始し150で絶頂する。
最初から最後まであまりにひどすぎて聞いているのが苦痛な作品であった。
指摘すべき点があまりに多すぎて何から手をつけていいかわからないほどである。
そもそもの設定が聴き手に対する配慮に欠けてるし
作中で使われている催眠の技術も拙劣で聞くに堪えない。
しかもこの程度の催眠で何でも言うとおりになったと研究員が確信し
あれこれわけのわからない暗示らしきセリフを投げかけてくるのだから滑稽極まりない。
男女の快感の差を調べる実験も結局は乳首とアナルをいじるだけである。
催眠の目的も不明瞭だし彼女が何をしたかったのかが最後までわからなかった。
私は別にすべての催眠音声を叩きたいのではない。
むしろ良いところがあったら褒めていきたいと思っている。
だが作品そのものに魅力や長所が無いのではどうしようもない。
頼むから褒められるものを持った作品を作ってくれ。
ってなわけで超絶核地雷作品であった。
良質な食材をとんでもなく下手な料理人が捌いたと例えればわかりやすいだろう。
出演:浅倉ともよ
時間:57分
属性:M~ドM
催眠:☆☆☆☆☆
エロ:★☆☆☆☆
コスパ:★☆☆☆☆
総合:☆☆☆☆☆
体験版はこちらから
2015年06月07日
ヒプノホスピタル
2015年06月に発売されたサークル偽薬の作品。
久々の新規サークルであるな。
なんでも1年前に録った音声をあれこれあった末に完成させたらしい。
バイノーラル録音じゃないのならさして音質に違いも出ないし
何より体験版でちょっぴり聞けた言葉責めに惹かれたんで聞いてみた。
この作品は女性だけが勤める病院でエッチな診察を受ける。
季節の変わり目で体調を崩しただけの主人公にMっ気が多分に見られるから
それを催眠を使って一気に発散させてやろうって内容だ。
寝転がった状態で罵声を受けながら足を舐めるドMなプレイが中心になっている。
催眠は深呼吸の後にこの病院をイメージする。
診察の結果とある錠剤を渡され、それを飲むのと同時に催眠が始まっていた。
つうても内容は深呼吸と軽い分割弛緩、それにカウントだからあんまり薬と関係ない。
脱力は両腕、両足、腰、尻、全身の順にごくごく軽い暗示が入る。
新規によくある暗示のボリューム不足ってやつで当然重さはほとんど感じない。
同時に行う深呼吸も新鮮な空気が入ると触れるだけで
清涼感が全身に広がるとか、心地よさで意識がぼやけるとかは言ってこない。
なんつうか暗示のターゲットが若干ずれていて片手落ちな感じがした。
最後のカウントも声やペースに変化もなくただなんとなく数えているだけであった。
演技指導を碌にしてないとしか思えないほどに声の扱い方が雑である。
催眠音声っぽく出来上がってはいるが実際に入れる人はほとんどおるまい。
エッチはまずじょうろの水をかけられるイメージをし
その部分にある理性が流れ落ちていくと暗示を入れてくる。
この先行うとんでもないプレイを乗り切るには普通の精神では無理だ。
だからできるだけ女医の命令に従いやすい状態にしたかったのだろう。
催眠に大して入れてないんであんまり意味があるとは思えない。
それから先は彼女の指示に従ってオナニーをする。
しかし催眠パートでは気のいいお姉さんだった彼女の性格が一変し
「てめぇ」とか「クズ」とかかなりきついレベルの言葉責めをしてくるのだ。
催眠音声で過去に怒鳴り散らす作品がなかったわけでもないんだが面食らった。
ドMじゃないと途中で投げ出したくなるほどに言葉遣いが容赦ない。
プレイも服を脱いでチンコを見せたら臭いと言われるし
オナニーを始めたら顔を踏んづけたり口に足をねじ込んできたりと散々である。
まあ私はこういうプレイが結構好きな人間だから楽しめたんだが
催眠音声にはまったくそぐわない内容なんでこの作品でやる必要を感じない。
いっそのこと催眠を端折ってドM向けのエロボイスにしたほうが売れるだろう。
最後はオナニーから彼女の手コキへと切り替わり10カウントで射精する。
催眠とエッチがまるで噛み合ってない残念な作品である。
催眠誘導・エッチどちらも処女作として見るなら一応形にはなっている。
だがエッチがとにかく催眠を考慮してないから催眠誘導した意味が無い。
その結果どちらを目当てに聞いたとしても中途半端な満足感しか得られなくなっている。
ひっきりなしに怒鳴られていたら催眠に入ってたとしてもすぐ解けるわな。
いい素材を持っていても料理人が下手なら美味しい飯は作れまい。
だがエッチで叩きつけられる罵声はMならきっと満足できるだろう。
女性がリアルでここまで必死に怒鳴ってくれる機会など滅多にないわけで
そういうシチュのオナサポとしてなら結構な価値があると思う。
サークルも次回以降はこのエッチを活かす路線で作ってみるのがいいだろうな。
ってなわけで催眠音声としてはいまいち、M向け音声としては合格な作品である。
見るべきところはあるんでとりあえず次の作品までは聞いてみようと思う。
出演:伊ヶ崎綾香
時間:40分
属性:ドM
催眠:★☆☆☆☆
エロ:★★★★☆
コスパ:★★★☆☆
総合:★☆☆☆☆
体験版はこちらから