ラブリリィ
2014年08月21日
うでまくら
2014年8月に公開された、サークルラブリリィの作品。
新規のサークルだろうと思って調べてみたら紗藤ましろ氏の個人サークルであった。
彼女は声優としての活動はコンスタントに行っているが
このラブリリィは1年半以上も新作が出ていない。
そして今年は彼女が声優業を始めて5周年にあたるらしい。
全年齢なんだが恐ろしく気合の入ったいい作品なんで紹介する。
この作品は少女に腕枕をされながら眠りにつく。
タイトルにもなってるくらいだから腕枕されまくるのかと思いきや
一つのシチュとして取り入れている感じで普通に催眠を施してくれる。
ちなみに少年が腕枕してくれるバージョンも存在する。
催眠はまず寝る時に感じる感覚を具体的に描写してから
深呼吸と分割弛緩でリラックスを促す。
この事前の小話は現代催眠における喚起の技法が使われていて
「眠りにつく時って気持ちいいよね?」とわざとらしく言ってそれを思い出させるのだ。
今回はサイミー氏がスクリプトを書いているだけに表現が実に自然になっている。
分割弛緩も全身に少しずつ脱力感を伝えていく丁寧な運びだ。
これだけでも十分以上にリラックスできるだろうな。
お次は子供の頃へと意識を向けて、その時にどんな感じで寝ていたかを思い出す。
幼児退行と言うほどのものではないが
一時的に今の自分から脱却するのはいいリフレッシュになるだろう。
要所で10カウントを刻んで一段階催眠状態を深めてもくる。
音声開始から16分ほど経過したところでようやく少女が腕枕をしてくれる。
バイノーラル録音ってことで音の臨場感はなかなかのものであった。
そしてここまでは体の方を重視していた暗示を一気に心に方向転換する。
温かい、優しい、柔らかい、幸せといったプラスのイメージのするものが非常に多く
彼女の穏やかな声と合体してとても心地のいい空間を作り上げていた。
「寝ろ」ではなくて「眠かったら寝てもいいよ」って感じの余裕のある空気だな。
最後はお決まりのカウントダウンで終了だ。
数字が20と大きめで落ちていく感覚が味わいやすい。
ここに来るまでの段階で十分眠りにつけると思うのだが
うまくいかなかった人でもここでがっつり眠気が襲ってくるだろう。
有料無料問わず今年出た催眠音声の中でトップ5に入りそうなレベルの作品だ。
すべてのシーンで暗示を使って感覚を刷り込む・押し付けるような動きを一切行わず
現代催眠の神髄ともいえる眠気を喚起する流れで進めている。
これがテーマの安眠とがっちり噛みあっていて聞いていると実に心地よい。
母親に子守唄を唄ってもらっている時のような心安らぐ時間を過ごすことができた。
他には節目節目でこちらに現在の状態を確認してもくる。
自分自身で無意識に語り掛ける機会が多くなり
自分から眠りに行こうとする雰囲気が生まれる。
少女はあくまでこちらが眠くなるのをサポートしているに過ぎない。
催眠の正しいあり方を作品を通じて改めて思い知らされた。
簡単に言えばつべこべ言わずにとっとと聞けって感じの作品だ。
時間が30分弱で寝る前に聞きやすい長さなのもありがたい。
催眠のタイプも面白く、個性の面でも卓越したものを持っていると言えるだろう。
出演:紗藤ましろ
時間:29分
属性:ノーマル
催眠:■■■■■
癒し:■■■■■
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ましろさんのサイトでも記事を紹介していただけることになりました。
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